医師の研修

「医師」は国家資格であり、「医師国家試験」に合格して医籍登録を完了したものに厚生労働大臣より免許が与えられる。1999年に改正された医師法第16条の2に「診療に従事しようとする医師は、2年以上、医学を履修する課程を置く大学に附属する病院又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を受けなければならない。」と明記され、2004年度からは、臨床医として勤務するためには2年間以上の臨床研修を行うことが努力義務とされた。臨床研修を終えていない医師は、医業を続けることはできるが、病院・診療所の長となることができない。

この間の「医師」を一般に研修医とも呼ぶこともある(資格名ではなく通称名)。ただし、基礎研究医や産業医、社会医学者、法医学者などはこの義務はない。しかし、これらの分野でも認定医取得条件や求人に2年間の臨床研修を義務づけている場合もある。


一般的には、病院や診療所といった医療機関で医業(医療行為)を行う医師(臨床医)が多いが、医療機関以外では保健所(地域保健法施行令第4条第1項では、保健所の所長とは保健所の医師と規定されている)、基礎研究医、産業医、社会医学者、法医学など直接医療行為を行わない医師もいる。

感染症はうつすな!

進化医学においては、発熱は病原菌の感染によって引き起こされる現象ではなく、病原菌が生育する条件を悪化させるためにからだが自ら行っていることと理解する。これは免疫系の細胞の方が病原菌よりもわずかに高体温に対して耐性があることを利用している。従って進化医学的な治療においては、むやみに熱を下げるのではなく、体温を何度にすれば免疫系の細胞にとって最適なのかを考えて治療方針を決定する。

日本では伝統的に発熱に対してせいぜい解熱剤を処方し、氷枕で頭部の過熱を防ぐぐらいであったが、欧米では伝統的に発熱自体が除去すべき病的な異常であると解釈して、全身を氷水に浸して体温を下げる治療すら、ある時期までごく普通に行われており、それによって結果として感染症の治癒を遅らせるのみならず肺炎などに合併症を引き起こして病状を悪化させ、場合によっては患者を死なせてしまうことも少なくなかったのである。



 感染症においては体温の上昇だけでなく血中の鉄分が減少することも知られている。当然のことながら、不足する鉄分を薬として投与すると、感染した細菌の繁殖を助けることになることから、鉄分レベルの低下はからだが感染対策として行っていることと推定できる。

インフルエンザウイルスは怖い病気

インフルエンザウイルスにはA・B・Cの3型があり、このうちA型とB型がヒトのインフルエンザの原因になる。C型は小児期に感染して呼吸器感染症の原因になりC型インフルエンザと呼ばれるが、毎年世界的な大流行を起こす一般的な生活の中で呼ばれるものとは症状や原因ウイルスの性状の点でも差異が大きい。


A型とB型のウイルス粒子表面にあるヘマグルチニン(赤血球凝集素、HA:haemagglutinin)とノイラミニダーゼ(NA:neuraminidase)という糖蛋白は変異が大きく、インフルエンザの種類が多い要因となっている。




A型インフルエンザウイルスにはHAとNAの変異が特に多く、これまでHAに16種類、NAに9種類の大きな変異が見つかっており、その組み合わせの数の亜型が存在しうる。亜型の違いはH1N1 - H16N9といった略称で表現されている。ヒトのインフルエンザの原因になることが明らかになっているのは2009年現在で、「Aソ連型」として知られているH1N1、「A香港型」として知られているH3N2、H1N2、H2N2、の4種類である。